このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2012年5月3日木曜日

山行記 : 【1日目 その2】 2012年4月29日~ 奥秩父主脈全山縦走(失敗) 富士見平小屋まで編

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今回の山行では、金峰山・瑞牆山のふもとにある瑞牆山荘前の登山口から歩き始める。

まずはJR韮崎駅で下車し、山梨峡北交通バスに乗り換えて約1時間山道を揺られることになる。

韮崎駅を出てみると、すでにバス停には長蛇の列。
だが、さすがゴールデンウィークだけあって、山梨峡北交通バスがフル回転してくれていた。
普通のバスだけでなく、特別便のマイクロバスまで出して運行していてくれたのである。
おかげで、乗客は各々しっかりと席に座って瑞牆山荘まで移動できた。

僕が乗ったマイクロバスの運転手さんは、道々、声を張り上げて観光案内をしてくれたのだが、これは確実にリピーターを呼び込む効果があるのではないかと思った。
実際に僕自身、登山ではなく物見遊山で再び訪れたくなったぐらいだ。

そうこうするうちにバスは瑞牆山荘に到着。
10時前ぐらいだ。

すでに駐車場は満車状態で、登山者の姿も非常にたくさん見受けられた。
















そのほとんどの人は軽装なので、金峰山ではなく瑞牆山をピストンして下山する人が多いのだろう。
あるいは、瑞牆山荘に宿泊する人もいるかもしれない。

瑞牆山荘は、先にも述べたとおり、金峰山・瑞牆山のふもと標高約1,500mに建つ山荘で、奥秩父のランドマークである。
















なんと、オープンテラスのカフェも併設する山荘だ。

出発前には、山荘の隣にある公衆トイレで用を済ませておきたい。

















そうして準備を整えて、出発したのが10:15。
登山口にはお決まりの看板「熊出没注意」。





















あまりこれに気を留める人も多くないと思うが、僕にとっては気持ちが引き締まる警告である。
思わず、ザックにぶら下げた熊スプレーを手で触れて確認する。

登り始めてすぐに林道を横断して、また登り続ける。





















11時前に、尾根に出た。
















木々の向こうには瑞牆山がそびえる。いい眺めだ。空も青い。

ここからは尾根沿いに進路を東にとる。登山道はなだらかだ。





















11:10、富士見平小屋到着。
















富士見平小屋は長らく無人小屋だったが、去年から管理人が常駐するようになった。
やはり管理人さんが居るのと居ないのとでは、安心感が全く違う。
しかも、素泊りだけかと思ったら食事も出してくれる小屋のようだ。
宿泊者以外にもうどんやカップ麺などの軽食を提供してくれる。ビールやペットボトル入りのドリンクも販売していた。


実はこの時点ですでに、荷物の重さがヤバそうだと薄々感じ始めていた。
このため、計画では富士見平小屋のテント場にテントを設営して瑞牆山をピストンするつもりだったが、瑞牆山を諦めてこのまま大日小屋まで行ってしまおうと思っていた。
明日のために、できるだけ前進しておきたかったのだ。
大日小屋のテント場は一昨年の夏に1度幕営したことがあるので、馴染みがあるし。

ところが、大日小屋のテント場の手続きをおこなうために富士見平小屋に立ち寄ったところ、ご主人から富士見平小屋テント場に留まることを勧められたのだ。
いわく、大日小屋のテント場は管理人不在なのをいいことに、マナーの悪い人たちが多く、焚き火をしたりガラスのビンを割って埋めたりするヤツがいる、と。
ご主人は怒り心頭の様子だった。(そりゃそうだ。)

ご主人が後から見て気付くということは、焚き火は、地面で直接火を焚いたか、炭化した燃えカスを放置していたか、どちらかだろう。

さて、地面で直接火を焚くのが何故いけないのか。
学者の中には「土の中の微生物が直火の熱で死ぬ」ということを言う人もいるが、もっと直接的に怖いのは山火事だ。
大日小屋のテント場は決して広くなく、草や木が迫ってくるような場所だ。地面で焚き火などしようものなら、草に燃え移る危険だって充分にある場所なのだ。沢ヤの人が河原で焚き火をするのとはワケが違う。
また、一度炭化した木は、土に還りにくい。分解されずにそのまま残り続ける。
僕は、焚き火台などを使って焚き火することまでNGだと考えるほど原理主義的ではない。肝心なのは、自然に対しての影響をどれだけ低減させられるか、ということである。
ただでさえ登山ブームでのオーバーユースが問題視されているご時勢なのだから、自然に対する影響をどれだけ小さくできるか、一人ひとりが細心の注意を払わなければならないのだ。

ましてや、割れたガラスのビンを埋めるなどという行為は、言語道断だ。テントが裂ける原因にもなるし、人がケガをする可能性も発生する。

そんなことをするのはおそらく極一部の人なんだろう(と思いたい)が、そういうタチの悪いキャンパーは夜も遅くまで騒がしかったりする場合が多く、非常に迷惑だったりする。
そんなキャンパーに出食わす可能性を回避するために、大事をとって富士見平小屋のテント場に幕営することに決めた。


富士見平小屋のテント場には、既に先客がたくさん居た。
















ただ、こんなにテントがあるのにひっそりとしている。
きっとみんな、金峰山のピストンか、瑞牆山のピストンに行っているのだろう。

僕もさっさとテントを設営して、瑞牆山ピストンに出発したい。
















ちょうどいい平地が見つからず、ちょっと斜面になってしまっているところに設営。まあ、ご愛嬌ということで。

それでは、重い荷物をテントにデポして、いよいよ瑞牆山ピストンに出発だ。


つづく

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