このブログで紹介している登山ルートの状況は、現在の当該ルートの状況を保証するものではありません。
山行に先立っては、必ずご自身での情報収集を怠らず、安全な計画を心がけてください。

2014年1月8日水曜日

山行記 : 2014年1月2日~4日 燕岳 3日目(下山)



(この記事は「2日目(燕岳登頂)」の続きです。)


山の朝は早い。
そう思って就寝を焦ると、より寝付けなくなってドツボにハマる。

燕山荘の寝床では、腰が痛くて眠れないという状態になった。
3ヶ月ぐらい前から、固い寝床で寝ようとすると、腰が痛くて眠れないことが度々起こるようになっているのだ。
去年は平気だったのに・・・。

そんなわけで、全然寝付けず朝方になってやっと眠りに落ちた。
このため、小屋のスタッフさんの
「朝食の準備ができました!」
という声でハッと目が覚めた。完全に寝坊だ。

低血圧のためガバッと起き上がることもできず、這いずるように寝床から抜け出て食堂に向かう。
寝起き過ぎて食欲は無い。

そんな状態なものだから、朝食の写真は撮り忘れた。
正月料理を意識してか、おかずに黒豆とカマボコが供されていたことだけは覚えている。


さっさと朝食を終え、出発の準備に取り掛かる。
今日は天気も悪いので、さっさと下山してしまおうと考えたのだ。
できれば7時ぐらいには出発したい。


7:18、燕山荘を出た。
風はこの稜線にしては強くなかったが、雪のチラつく天気だった。

山荘前から燕岳方面を見ても、ただ真っ白なだけ。
昨日の今日でこんなに様子が変わるのかと、改めて冬の北アルプスの恐ろしさを再認識した。

合戦尾根に降りるために、小屋の西側を回り込む。
この尾根沿いに立てられていた竿には、早くもエビの尻尾が出来始めていた。
昨日ここを通ったときには、竿には雪の片鱗すら付いていなかったのに。

燕山荘直下の急斜面を下りると、風は急に弱くなった。
尾根のこちら側は、稜線が風を遮ってくれるので、非常に歩きやすい。

もちろん雪はチラつき続けているけれど、よく見ると雲はそれほど厚くなさそうで、薄日が射していた。

7:49、早くも合戦小屋に到着。
燕山荘からここまで、たった30分しかかかっていない。

合戦小屋のすぐ先から、樹林が濃くなる。
いよいよ本当に下山するのだなぁ、という思いが強くなってくる。
後ろ髪引かれるような気もするが、昨日の好天のおかげで思い残すことは何も無い。

黙々と下山する。

8:02、富士見ベンチを通過。
富士山どころか、すぐそこの稜線だってロクに見えない。

8:16、第三ベンチを通過。

8:37、第二ベンチを通過。

8:49、第一ベンチを通過。

第一~第三ベンチは、前日より雪の位置が低い気がする。

8:53、中房温泉が見えてきた。

9:05、中房温泉の登山口に到着してしまった。
去年と打って変わって、登山口の手前200mぐらいから土が露出してしまっていた。
雪が少ないなー。

というわけで、燕山荘から登山口まで、約1時間50分で到着してしまった。
計算外に早く、驚きを禁じえない。

ここでオーバーパンツとアイゼンを脱ぎ、ピッケルを仕舞って、タクシー会社に予約の電話を入れる。

12:16、宮城ゲートに向けて下山開始。

実はここまでの下山途中で、燕山荘で知り合った青年と道連れになった。
宮城ゲートからのタクシー代を割り勘にしよう、ということで、いっしょに林道歩きをする。
タクシー代の割り勘もありがたいが、それ以上に、退屈な林道歩きの気が紛れるので、非常に嬉しい。

林道歩きに入ってから、雪の降り方が強くなってきた。
途中で中房温泉に向かう登山者と何組もすれ違ったが、気の毒としか言いようがない。

宮城ゲートが近づいてきた11:30頃、サルの群れに出くわした。
慌ててシャッターを切ったが、こんな残念な写真しか撮れなかった。

無念なので、足跡を写真に収めた。

そうこうするうちに、11:52、宮城ゲートに到着。
約2時間半の林道歩き。
いやはや、連れがいてくれたおかげで退屈をしなくて済んだ。本当にありがたい。

12:00には、迎えに来てもらったタクシーに乗り込んで穂高駅を目指す。

こうして僕の燕岳登山は終わった。


(「総括」につづく)


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